原材料について(その1)
和菓子に使う原材料は、種類も多く多岐にわたっています。そして、どれを使うかという選択は非常に難しいものです。我々が原材料として使う時点で既に添加物が入っているものもあったりしてそう簡単にはいきません。せっかく合成添加物を使わずにお菓子を作ろうとしているのに、材料が悪ければ全く意味がなくなってしまうからです。やはり『こだわるからには、とことんこだわりたい』――これが我々の原点です。
では、体にやさしくおいしいお菓子を作るためには、どのような原材料を使えばよいのでしょうか? 当店の考え方として、日本の伝統文化である和菓子には日本国内で生産された原材料を使うということが基本にあります。そしてさらに我々自身が安心して使えるような品質でないと本当に安心・安全なお菓子は作れないと考えています。味が良いことは当然のこととして、他の条件をいくつか挙げてみると・・・
@生産者と生産履歴が把握できること
A無(減)農薬で栽培された農作物であること
B添加物の入っていないものであること
以上の3点はどれも重要で、すべて満たすようなものであれば理想的だと思います。作っている我々も思わず食べたくなるようなお菓子に仕上がりますね♪
生産者との意思疎通が大切
最近は、生産者の顔写真が付いた野菜や、生産履歴(トレーサビリティ)を調べるための個体識別番号のついた牛肉などを見かけることがあります。安心な食材を提供するためには必要な制度だと思います。我々が扱う原材料についても同様ですが、もう少し踏み込むことが必要と考えます。つまり、誰が生産者なのかということがただ分かれば良いというのではなく、その生産者とコミュニケーションを取り人格や考え方まで理解することが本当の安心への近道だと考えています。無農薬と言いながら農薬を頻繁に使用していた、なんてことにならないようにするためです。そういった不正は、生産者との信頼関係を築き、人柄が分かっていれば防ぐことは十分に可能です。
安心安全の確保のために
すべての原材料でここまで徹底することは不可能ですが、その理想をできる限り実現するために、地元でも信頼の厚いお米屋さんの(有)サンサンライスさんにご協力いただいています。我々よりもずっと前から、そして非常に熱心にこだわりをもって良い食品を扱っていらっしゃるお店です。店長の小林さんは全国各地の優良な生産者の方々とパイプがあり、大変豊富な知識を持っているのでいつも相談に乗ってもらっています。(有)サンサンライスさんから仕入れている原材料は、すべて生産履歴もあり我々も安心して使用しています。
(有)サンサンライス 住所 名古屋市天白区植田3−1518
クロックタワー植田1F
電話 (052)801−2929
農薬は意外と使われている!
農作物を栽培するためには、化学肥料を使ったり農薬を散布したりして害虫対策をするのが一般的で、これを慣行栽培といいます。その慣行栽培において実際に使用された農薬の回数が各県のホームページで公表されていますが、思った以上に使っているという印象です。日本人は虫の付いた(虫が食べた跡のある)野菜や果物を嫌う傾向がありますので、綺麗な姿形で収穫しようとすれば、どうしても農薬に頼らざるを得ないのが実情でしょうか。私など虫が付いていると逆に安心してしまうのですが・・・
いただき物の野菜はおいしい♪
近所の農家の方々からよく野菜をいただくのですが、収穫したばかりで新鮮であることも理由の1つだと思いますが、本当においしいんですよね。野菜本来の濃厚な味がして、少し甘みが感じられるような自然な味わいなんです。すべてではないと思いますが、農協に出荷する野菜と自家消費分の野菜は完全に分けて作っている・・・と以前聞いたことがあります。やはり買ってくる野菜とは味が違うと感じることがあります。
生産者の想い
無(減)農薬で作るということは、手間もかかるでしょうし大変な重労働だと思います。そこには、生産者の方が汗水たらして手入れした熱い想いが感じられます。きっと自分たちの子供のように愛情を注いで育てているような感覚なのでしょう。だからこそ、当店の願いである『ぬくもりの感じられるお菓子』作りには不可欠なんです。我々も大切に使わせていただく――ということです。生産者の苦労を知れば、添加物で安易に味や食感を変えてしまうようなことは決して出来ません!
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