練乳いちご餅





 <期間限定 たけおか家だけの『練乳いちご餅』>


平成29年3月末に、新たに『練乳いちご餅』の販売を始めています。イチゴを丸ごと一粒使ったいわゆる“いちご大福”です。どこにでもあるようなお菓子にするつもりも無く、オンリーワンでこだわりの詰まったものにしよう考えて試行錯誤しました。

今回是非使ってみたいと思うほどお気に入りとなったイチゴは、単独で食べてみても甘みと酸味のバランスが良く味の良さがわかるため、お菓子全体としてイチゴの風味を生かすように心がけました。中に入れる練乳餡は少なめにする代わりに、ひとくち頬張るとイチゴの風味の後にミルクがフワッと香るように濃厚に煉りあげました。外側の餅生地も、フワフワ感を感じつつもイチゴと餡の邪魔をしないよう薄めにやさしく包みました。そして、もちろん無添加で作っています。


イチゴ
一番こだわりたいと思っていたのがイチゴでした。名古屋市近郊の東郷町諸輪で減農薬栽培に取り組んでいらっしゃる近藤泰さんに全面的にご協力をいただき、幻のイチゴとも云われている品種
『あすかルビー』を使います。ちなみに、過去にテレビ番組「どっちの料理ショー」で究極のいちご大福に使うための特選素材に選ばれていた品種なのです。

『紅ほっぺ』や『章姫』など一般的な品種と実際に食べ比べをさせていただいて、品種によって味が全く違うことを初めて知りました。『紅ほっぺ』も充分に美味しいですが、それ以上に完熟の『あすかルビー』のジューシーな味わいは衝撃的でした。本音を言えば、お菓子に入れるよりも何も付けずにそのまま食べる方が満足感を得られそうとも思います。それくらいに美味しいイチゴです。

繊細なイチゴの栽培にあたって農薬の問題は必ず出てきます。近藤さんとお話していると、「出来るだけ農薬は使わずに美味しいイチゴを作る」という確固たる信念のもと試行錯誤し苦労されてきたことがよくわかります。手塩にかけて大切に育ててきたイチゴに出会えて嬉しく思いますし、大切に使いたいという気持ちで一杯です。

お近くの方は是非一度、直売所『
いちごの郷』で完熟の美味しいイチゴをお試し下さい。当店が使わせていただく『あすかルビー』以外にもいくつか魅力的な品種がありますよ。販売期間は12月中旬頃〜5月初旬頃ですが、気候により多少変動しますので、詳しくは電話でお問い合わせ下さい。
〒470−0151 愛知県愛知郡東郷町諸輪吉田88−161 
           電話090−7618−3931

羽二重餅(はぶたいもち)
通常の“いちご大福”は、クリーム大福や冷やして食べる大福などに使われるような大福ミックス粉であったり、比較的難易度の低い求肥(ぎゅうひ)を使用することが多いと思います。しかし、食べたときに美味しいのは羽二重餅の生地でしょう。上生菓子にも使う羽二重餅は、煉りあげる際に卵白と白餡を合わせていますので、必要以上にのびない上品な生地です。泡立てした卵白を合わせて気泡をつぶさないようにすることによってフワフワな食感となります。

この羽二重餅の生地ですが、普通は白玉粉や餅粉など“粉”に水分を合わせてから煉りあげます。おそらく大抵のお店はそうしているでしょう。しかし、当店のこの羽二重餅の生地は、餅米を蒸して搗いたお餅から作っています。この違いは一体何でしょうか?
白玉粉(水洗いした餅米を石臼で水びきし、沈殿物を乾燥させて作る)や餅粉(水洗いした餅米を乾燥させてから粉にする)はいずれも餅米を粉末状態にしています。残念ながらどうしても粉末状にする段階でお米の風味はかなり失われてしまいます。そのため“粉”を水分で溶いてから蒸気で蒸してもあまりお米は香りません。
当店が使うこだわりの餅米を蒸気で蒸している時には、お米の非常に良い香りが作業場一杯に広がります。
羽二重餅を煉りあげる際には泡立てした卵白と白餡を加えますのでお米の良い香りは多少は控えめにはなりますが、一般的な製法の羽二重餅に比べると風味は違います。このお米の良い風味は、イチゴや練乳餡をより引き立てているように思います。

そしてこだわりの餅米は、滋賀県の松本さんが栽培している低農薬(無農薬と減農薬)の羽二重糯です。この“羽二重糯(はぶたいもち)”は餅米の品種名です。ブランド米として全国的にも有名で真っ白でとても美味しいお餅になります。当店で主に使用するのは減農薬の方の餅米ですが、栽培時に使う農薬は初期除草の時だけなので限りなく無農薬に近く安心安全です。品種や産地のみならず生産者、栽培履歴も特定でき、しかも低農薬で栽培された極上の餅米を使えることに感謝し、安心して大切に使わせていただいています。(この餅米に関しては、サンサンライスさんに全面的にご協力をいただいています。)

練乳餡
既製品の練乳を使うのではなく新鮮なミルクを焦げないように弱火でじっくりと自ら煮詰めて作った練乳に、自家製白餡を合わせて煉りあげた練乳餡を使います。牛乳の90%以上は水分であるため、自分で煮詰めるのは根気のいる作業ではありますが、練乳餡にしたときの出来上がりが良く、風味たっぷりの美味しい餡となりました。イチゴとの相性も抜群です。

白餡は、一般的には手亡(てぼ)100%で作ることが多いように思いますが、当店は大福豆(おおふくまめ)を多めにブレンドして作ります。ともに北海道産です。大福豆はとても高価な豆で、ブレンドすることによって白餡が非常に品のあるあっさりとした餡になります。また、出来るだけ豆の皮が入らないように細かめのメッシュで裏ごししていますので、なめらかな口当たりです。

イチゴに含まれているポリフェノールなどの有効成分は、イチゴ単独で食べても体に良い作用は期待できないようで、ヨーグルトや練乳など乳製品をかけて同時に食べることで効率的に体に吸収できるとのことです。昔からよく云われている習慣が理にかなっていることを知り、せっかく生のイチゴを食べるのであれば体が喜ぶようにしたいと考えて練乳餡を使うことにしました。





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