添加物について(その1)
体にやさしくおいしいお菓子を作るために避けて通れないのが、添加物の問題です。一口に添加物といっても2つに分けて考えるべきでしょう。
@重曹(蒸し饅頭や焼き菓子をふくらませるための膨張剤)や、にがり(豆乳を固まらせて豆腐を作るときの凝固剤)など“必要な添加物”と思われるもの。何百年も前から使用されてきた歴史があり、使用法や安全性についてもわかっているので特には問題ないでしょう。
Aいわゆる合成添加物と呼ばれ、カタカナの物質名で記載されたり、乳化剤・香料・調味料(アミノ酸等)などと一括表示される類の、必ずしも使う“必要のない添加物”と思われるもの。使用され始めてからまだ歴史が浅いものです。
問題となるのはAの合成添加物です。ありとあらゆる食品にこの合成添加物がふんだんに使われていますが、本当に安全なものなのでしょうか? 人間が摂取し続けても本当に大丈夫なのでしょうか?
我々は添加物の研究者や専門家ではないので、情報として得られる添加物についての肯定的な意見と否定的な意見の双方について考察することしか出来ません。様々な考え方を勘案した結果として、当店なりの合成添加物に対する考え方や取り組みを以下ご紹介してゆきます。(以下の「添加物」の表記はすべて合成添加物のことを意味しています。)
添加物使用のからくり
食品に添加物が使われる身近な例として“ジャム”について考えてみましょう。本来ジャムは新鮮な果物と砂糖だけで本当においしいものが作れます。他に何も入れる必要はありません。実際に当店もお菓子に使用するための柚子ジャム・梅ジャムを作りますが、砂糖だけしか入れません。
ところが、市販のジャムには、酸味料、ゲル化剤は必ずといっていいほど入っていますね。他にも香料や着色料まで入ったものもあります。これはそのままでは食べることが出来ないような、甘みや風味の劣る果物を使ってジャムを作ろうとするからでしょう。そして足りない部分を補うために添加物が使われるということです。出来るだけ安くジャムを作って利益を出すためには、格安で果物を手に入れて原価を出来るだけ安く抑える必要があるからです。
手作りなら添加物はいらない!
今、私の周りを見渡して食卓の上に、“プリン”、“梅干し”、“醤油”、“味噌”、“漬け物”があるのですが、これらの食品はスーパーなどで市販のものを買うと、ほとんどが添加物満載です。
例えば、簡単に出来るのでプリンはよく作るのですが、卵と牛乳と砂糖の3種類だけで十分です。風味づけとしてのバニラエッセンスや香料も全く必要ないので使いません。こだわった素材で手作りすることも理由の1つかもしれませんが、買ってくる市販のプリンとは比べようもない程おいしく出来ます。スーパーにある市販品のうち、この3種類だけで作ったプリンはまだ見たことはありません。また、梅干しや漬け物も自家消費分として(売り物ではなく)作りますが、シンプルに作れば添加物など全く必要ないのです。
添加物を使って食品を製造しているメーカー側は、「添加物1つ1つについて国が使用基準を定めて認可しているので安全だ」という論法なのでしょう。しかし、添加物の認可がどのようにされているのか、ということを調べてみるといくつか疑問点が出てきます。
認可の取り消し
たとえ天然由来の添加物だとしても、健康被害が明らかになってはじめて使用禁止となるケースが過去に何度かあったようです。安全との判断で認可したはずですが、認可自体が適切だったのか疑いたくなります。
認可の根拠
添加物の毒性をテストするためラット(ねずみの一種)を使った動物実験をして、その実験結果をもとに当該添加物を認可するかどうか、そして使用基準量が決められています。しかし素人目にもラットと人間は体の構造は同じだとは思いませんし、ちょっと奇妙だなと思います。
そして人間が摂取しても問題ないとする使用量は、動物実験で得られた数値の100分の1の数値を当てはめることになっています。乱暴な決め方をするものだと、これにはかなり驚きました。そして、あくまでも使用するメーカーの側が使用量を遵守するということが前提で、メーカーの良心に委ねられているということ、つまり性善説に則っているということですが、本当に大丈夫でしょうか?
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